ヘラクレスリッキー成虫の飼育方法
学 名 Dynastes hercules lichyi
和 名 ヘラクレス リッキー
体 長 オス:60~170mm メス:30~100mm
分 布 ベネズエラ・コロンビア・エクアドル・ペルー・ボリビア
寿 命 幼虫約2年、羽化後約1~1.5年
飼育温度 18~22℃
日本の冬季は0℃以下になるので、
飼育には、温室が必要です。
成虫の飼育の共通項目は他の種類でも
同じ内容が記載されます。
<オス、メスの殺し合い対策>
同じ種類の昆虫同士であれば、
種の保存のために、オス、メスが
殺しあうとは思いもよりませんが、
これが違うのです。
普段(産卵の為のペアリング期間以外)は、
オスメスを別々に飼育しましょう。
これは、初めて購入したペアの
コーカサスオオカブトを同居させて
一晩でメスが殺された経験からです。
ヘラクレスは性格が比較的おとなしいですが
気が変わって何をするかわからないと
考える方がより安全と考えています。
<コバエ、ダニ対策>
飼育ケージ内には、
発酵マットを敷く必要はありません。
発酵マットは産卵時と幼虫飼育時だけ使用します。
発酵マットは、コバエやダニが湧きますから
未発酵の針葉樹マットを敷くことをお勧めします。
針葉樹マットを霧吹きで湿らせて使用します。
コバエが湧いたからと言って殺虫剤を
部屋で噴霧すると、昆虫も死滅します。
コバエ対策のグッズが沢山ありますが、
何を使っても決定打に欠けます。
また、昆虫を手に取って見ていると
昆虫の体に小さなダニが付着している
事に気が付きます。
このダニは、昆虫にとっては大きな脅威では
無いらしいのですが、やはり寄生虫は、
無い方が気分的にも良いです。
とあるブリード教本で、
このダニを水道水をかけて除去しましょうと
ありましたので、その通りやったら、
大切なセレベスヒラタクワガタが死にました。
水道水に含まれる消毒の塩素は強力です。
ですから、水道水でのダニ除去はやっては
いけない行為です。
直ぐに死ななくても、大きなダメージを与えます。
交尾しなくなったり、寿命が短くなったり
良いことは全くありません。
針葉樹マットの使用で、このコバエとダニから
解放されます。
この手法は、栃木県大田原市の昆虫ショップで
教えて頂いたやり方です。
更に、ムシがストレスを感じないように
体が埋まる程度の深さのマットと
体が反転してもすぐに戻れるように
木の枝や木の皮を多数配置しましょう。
この木の枝や木の皮も、使用前に必ず
熱湯殺菌を忘れないようにしてください。
必ず小さな虫が着いていると思ってください。
<成虫のエサ>
与える餌エサは、ゼリーよりも
バナナをよく与えました。
スーパーの見切り品で十分です。
バナナが大好物みたいで、
1日中バナナにくっついたまま
をよく見かけました。
このバナナについた状態だと、
背中が白色に変化します。
オスだけです。
メスは変化しません。
ずっと白色になったら高く売れるのでしょう。
このバナナは数日放置するだけで
コバエが湧きます。
恐らく、バナナに付いてきているのだと思います。
ですから、こまめに交換する必要があります。
そして、交尾・産卵及び長寿のために
動物性たんぱく質をエサに混ぜました。
これは、オオクワガタ飼育の
ノウハウからの流用です。
黒糖と少しのトレハロースを
焼酎と水で溶いて煮たてて、
ラードを入れた特性スープです。
ですが、カブトムシ関連には、
あまり人気はありませんでした。
蚊のメスが産卵時に動物性たんぱく質が
必要になり、動物を刺してくるように、
オオクワガタも産卵前には、
ゼリーにラードを入れて与えるということです。
昆虫すべてに共通した現象ではないかと
考えています。
ラード入り特性エサを与えたオスさえも、
その体重が重くなると書かれていたので、
自ら検証する事無く信じました。
その後、様々なカブト・クワガタの産卵セット内で
早期に産卵されて孵化した幼虫が産卵継続中のメス
に食われている光景を何回も見ましたので、
産卵にはなにがしかの強い栄養素が必要である
と考えています。