かつらに関する製品情報-005(かつらの素材・毛髪/生地)

かつらに関する製品情報-005(かつらの素材・毛髪/生地)
 
貼付けタイプや、被る形のかつらは、
生地ネットと、人工皮膚と、毛髪で構成されています。
装着の為の接着剤や両面テープ、クリップは、かつら完成後に
販売直前にセットされます。
 
生地ネットは、毛髪を植毛する土台です。
もちろん、頭部形状に応じて形成されます。
頭部形状を再現したポリウレタンの型に張り付けて
熱で形成されます。
 
細かく言うと、ポリウレタン表面が削れやすいので
プラスチック板を熱して型の表面を保護します。
その上に大きさやデザインを描画して、
その上に張り付けて周囲を画鋲で止めてから
加熱ボックスで300℃程度で数時間過熱します。
 
その時に、主に前部の生え際部分の人工皮膚をも
一緒に作成します。
 
生地ネットでかつら土台が出来上がると、
大きさやデザインなどが設計図通りかどうかを
かなり厳密に検査します。
 
話が前後しますが、生地ネットには様々な素材が使用されます。
自然素材が良さそうな気もしますが、
実際には耐久性の問題で人工繊維が多いです。
具体的な生地は企業秘密になりますので公表できません。
 
次に毛髪です。
かつらメーカーの考え方により素材はまちまちです。
人毛を使用するケースでは、
使用前に1本1本の色合いを検査して分別します。
更に、キューティクルをはがしてから表面加工を施します。
毛髪そのものをそのまま使用するとある問題が生じます。
ここも企業秘密に該当しますので詳しくは記載できません。
 
人工毛髪には様々な種類が有ります。
主にアフリカなどで、エクステンションなどに利用されるものには
塩化ビニール製のものがあります。
価格が非常に安価ですが、直ぐに燃えてしまいます。
従い、これらは安全性の問題で欧米諸国では基準に抵触し
使用・販売ができません。
欧米諸国では「難燃性」が義務付けられています。
 
人工毛髪の難燃性特許は、日本のカネカが世界を独占しています。
なんとなく難燃性人工毛髪が市場を占有しているように思えますが、
デンカのシンガポール工場では塩ビの人工毛髪を年間10,000トン供給するのに、
日本の市場の半分を占有するかつらメーカーの年間消費量は約30トン程度です。
難燃性の人工毛髪はポリエステルが多く使われています。
 
具体的な価格や、購入先、加工方法、使用時の使用感覚などまで
詳しく知ることになりましたが、薄毛で悩むみなさんへは、
こうした技術的な考察は単なるついで情報となります。
話題のひとつですね。

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