ヘラクレスヘラクレス(グアドループ産)飼育記録
学 名 Dynastes hercules hercules
和 名 ヘラクレス ヘラクレス
体 長 オス:60~170mm メス:30~100mm
分 布 ベネズエラ・コロンビア・エクアドル・ペルー・ボリビア
寿 命 幼虫2年、羽化後1~1.5年
飼育温度 18~22℃
外国産のカブトムシと言えば、
やはりヘラクレスオオカブトです。
あの圧倒的な大きさが魅力です。
ヘラクレスリッキーのブリードは
既に紹介しましたが、今度は、
ヘラクレスヘラクレス(グアドループ産)です。
2005年に、リッキーでの羽化成功を機に、
幼虫を購入しました。
どうせならば「極太・ブルー」が欲しくて、
かなり高額のを落札しました。
成虫で購入するとペアで100,000円ほどしますので
幼虫段階の比較的安価で購入できる方法を選びました。
この場合は、成虫にお目にかかれるまで
2年近く待たなければなりません。
しかし、幼虫の生育状況を観察したり
蛹化や羽化の感動を味わえます。
昆虫ブリードは何よりも自らが
楽しむことが大切です。
今回は、意外にメスの羽化が早く、
18ヵ月後の2006年12月に羽化しました。
さすがにブルー系統だけあって、
メスといえども体が薄緑がかっています。
そして、かなりの体長があります。
系統が良いですから、そのまは販売しても
\20,000~\30,000レベルで
販売出来る確信がありましたが、
オスの羽化を待ってブリードを計画しました。
しかし、羽化してくるオス達は、
何故かブルーが出現せず、
種親としては相応しくないので
オークション販売しました。
ところが後続のオス達は羽化不全で全滅です。
それならば、このメスもWEB販売しようと
思っていた矢先に、
飼育ケージから逃げ出し、
温室内の底面ヒーターに頭を突っ込んで
熱死してました。
幼虫自体に高額を費やし、
その後の飼育マットにも高額を費やし、
2年かかって全滅するのが現実なんです。
だからこそ、成虫などがいつまでも
高額取引されているんでしょうね。
今回の失敗にへこたれることなく
いつかまた挑戦したいと思っています。
いずれ再挑戦するのであれば
採算ベースを考慮したいです。
ビジネスベースを考えた場合には、
日本で幼虫飼育したのでは採算割れします。
冬季の暖房費や材料費や人件費が高いからです。
人件費と物価が安い東南アジアで育てたものを
日本に輸入して販売出来れば
ビジネスとして成り立ちそうです。
特に、フィリピンであれば、気温が年中夏ですから
日本のように暖房に光熱費がかかることが無いです。
但し、気温が高すぎるので、比較的気温の低い高地で
地下に飼育ルームを作って実施出来れば面白いです。
フィリピン赴任した時に、
キノコ類が販売されていたのを見ました。
価格は日本の2倍以上でしたが、
比較的寒さを必要とするキノコ類でも
育てられる環境が作れるようなので
温度対応は大丈夫そうです。
エサとなる発酵マットの原料となる樹木については、
広葉樹がありますので、
試験すればなんとかなると考えます。
キノコ栽培業者と協力して、
使用しなくなったホダギや廃棄菌糸を頂いたりして
幼虫のエサとなるマットを作成できそうです。
恐らく一番問題になるのが輸出入時の手続きです。
ヘラクレスは南米原産でフィリピンには自生していません。
日本から卵をこっそりフィリピンに持ち込むしかないです。
そうなると、フィリピンからの輸出時に
日本の植物防疫所に提出する書類が書けません。
それが無いと日本に輸入出来ません。
既にフィリピンからフィリピン原産のクワカブを
日本に輸入販売する業者が居ます。
しかし、日本で販売されているのは
フィリピン原産の種類に限られています。
こうした貿易上の問題を解決しなければ
夢の実現が難しいのが現実です。